数学の勉強の仕方(4)
数学の勉強の仕方(4)
”反復” ①
もう一つの重要なキーワードは「反復」です。
繰り返すことで”覚える”、”定着を図る”は誰でも知っているし、
何度となく言われてきたことだと思いますが、
繰り返しの効果はそんな単純なものではありません。
”十分な理解を伴って定着した知識は、既に頭に入っている知識と結びついて、新しい発想が生まれる。”
のです。
・それまで、見えなかったものが見えるようになる
・ひらめきが起こる
・イメージする力が増す
簡単に言えば、”頭が良くなる”ということです。
頭が良くなるのは、単に知識が増えるのとは違います。
知識を詰め込めば、テストの点数は上がり成績は向上することにはなりますが、
それだけでは、新しいそれまでに出会ったことのない問題に対処することはできません。
本当に頭が良くなるというのは、新しい発想が生まれる、洞察する力が増す、と言い換えることができると思います。
これを実感したのは、教えるようになってからです。
何年にもわたって同じことを教え続けていると、
新しいことは学習していないのに、新たに見えてくるものがあります。
今まで理解していたつもりのものが、実は表面的な理解だったことに気づく。
そして、問題の全体像のイメージが湧き、問題の本質が見えてくる。
こういう体験をよくしました。
これらのことから、数学の勉強法を再考察すると、
ただひたすらたくさんの問題を解かせるというやり方は明らかに間違っています。
問題をたくさんやらせるのが間違いなのではなく、
手順が間違っているのです。
単元の全体にかかわるような基礎的な問題、
解法を組み立てるうえで不可欠の要素になっている問題、
は徹底的に繰り返し、問題を見ただけで反射的に解けるような段階まで仕上げる。
そして、その後でたくさんの問題に接する。
この手順が大事だと思います。
ただし、徹底的に反復するには、”問題量が適当であること”が極めて重要になります。