人助けも楽じゃない(2)
人助けも楽じゃない(2)
人助けも楽じゃない(2)
一番近いGSはセルフの店煮に着くと、思った通り事務所は通夜燈がつているのみで人影は全くありませんでした。
「じゃあ、カルピスのところのGSなら誰かいるから、そこへ行ってもらえますか。」
「だったあそこもセルフだから、人はいないんじゃないの。」
と言ったら、
「行ったことがあるからわかります。あそこはコンビニがあって人がいるから、大丈夫です。」とまた自信ありげに言う。
どこから来るんだこの自信は、と思いながらもまたしても、ここで放っておくわけにもいかないので、
しようがないから、また助手席に乗せてそこへ向かいました。
今度は、少し時間があったので、運転しながら、ことのいきさつを訪ねてみました。
どうも、おじさんが言うには、近くの親戚に用事があってきてその帰りで、
ガソリンが少ないのは分かっていたのですが、まさか空っぽになるとは思ってもいなかったので、
こういうことになってしまったのだ。
とまあこんなあらましでした。
だけど、親戚が近くにいるなら、なんでそこへ頼みに行かないのと少し引っかかるものを感じながら、
とは言ってももう乗り掛かった舟だから、とおもいそれ以上追求しませんでした。
でもさすがに申し訳ないと思ったのか、盛んにお礼をさせてください。お礼をさせてください。
を連発します。
「でも財布に2000円しかないから、ガソリンを入れたらなくなっちゃうな。」と小さい声でぽつり。
「別にいいよお礼なんか。困っているときはお互いさまだから。」
と善人に決まり文句を、面倒くさそうに言って、その場はそれで、言葉は途切れました。