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山菜採れた(5)

山菜採れた(5)

(5)

ウドは、岩のごつごつしているような日当たりのいい斜面で、よく太った柔らかいのが取れる。
身の丈30,40センチほどに成長した者が一番おいしい。
毎年行っているので、そのウドが群生している場所を知っている。
そこは稜線から近い少し開けた傾斜のゆるい斜面だ。
熊がいてもおかしくないようなロケーションだ。

しかし、そこへ行くまでが大変で、傾斜35度ほどある斜面を登って行く。
近年は、ブッシュがはびこっているのと傾斜が急なので私以外誰も近づかないようだ。
人が入った形跡がない。
だから、余計に心配だ。
何しろ私一人なので、たとえ熊にやられても誰にも気づかれない。

途中何度も休み、はあはあ息を吐きながら、それでも万が一熊にで会うと怖いので、
ラジオをガンガン慣らし、リックには鈴を括り付け、
「熊さん、こんにちは~。出てこなくていいよ~。」
と怒鳴りながら、きょろきょろあたりを見回し、身をかがめて地面を見渡し、
ウドの芽はないかと物色しながら、熊はいないかと少し遠目を見渡し、またウドを探して、
地面を見渡し、忙しい行脚だった。

幸い、ウドの時期はぴったりで、目的地に着くと、ちょうどいいサイズのウドがあちこちに
これでもかというくらい若芽をのぞかせていた。

ウド採取用のナイフを取り出し、さっそくウドの収穫に取り掛かった。
ウドを取り出すと夢中になり、熊のことはどこかへ行ってしまった。

一通り収穫して、リックにつめ、それでも入りきらないのは、両手にぶら下げ、
大満足だった。
そこで、熊のことを思い出し、もう一度あたりをゆっくり見渡した。
熊の気配はあるようなないような。
今のうちに下山しようと、大木そぎでブッシュをかき分けかき分け逃げるように斜面を下りた。

とにかく、今年も無事に収穫で来てよかった。
その後もっと標高の低い別のスキー場へ出向き、今度はワラビを探した。
ここは、見晴らしがよく、ブッシュも全く生えていないので、もし熊が出ても遠くから分かる。
安心して、ワラビを探したら、あるわあるわ、腰を下ろすと360度周りに生えている感じで、
あっという間に目標の量が収穫できた。
しこたま収穫に早々に引き揚げた。

結局、熊シュミレーションは、役に立たずに済んだ。

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