男三人珍道中（4）
男三人珍道中（4）
（4）
すでに、夕刻になんなんとしていた。
５：００にチェックインを予約していたが、遅れるかもしれないので、
とりあえずホテルに電話を入れておこうと思い、ホテルの案内を見たら、
チェックインは、5：00～5：30までと書いてある。
そんなの聞いたことがない、別に遅れたって大丈夫だろうと思ったがとりあえず電話を入れてみた。
「何時頃になりますか。 」
「３０分くらいおくれそうなんですが。」
「分かりました。 食事は６：００～７：３０までなので、時間が短くなるかもしれませんがご了承ください。」
ということだった。
「やけに、食事を切り上げる時間が早いけど、格安セットでは、経費を浮かすために、
早く食事を切り上げて、従業員を帰すのがあるらしい。」
と一人が、物知り顔にいいだした。
なるほど、そういうことか、と納得した。
経費をなるべく安く上げることをポリシーとしている、我々３人は、
いつも格安のツアーや、ホテルを目ざとく見つけることに達成感を見出していたので、
こういう裏事情には少し詳しいのだ。
結局、３０分遅れでホテルに着き、無事に食事にはありつくことができた。
食事は、バイキングだった。 海鮮ものも豊富で、焼き物も魚や貝類などたくさんあり、
値段にしては、十分満足できるものだった。
ただ、お昼が少し遅かったのと、あの脂ぎったイワシの天ぷらを２匹も無理した食べたせいで
お腹がもたれて、あまり食欲がなく、達成感を感じるほどに、十分食べることができなかった。
アルコール類もあまり飲めなかった。
ここにも、悔いを残すことになった。
ここの食事の時、感心したことが一つあった。
バイキングなので、給仕は当然セルフなのだが、たいてい片付けはホテルの人がやってくれる。
ところが、食器や残版を回収する棚が、ホールの片隅に置いてあった。
だれともなく、自分のテーブルにあった用済みの食器を、多分食材をもっと持ってくるのに邪魔だったのだろう、
その食器棚に自分で持って行って置いた。
かたず家もセルフとはどこにも書いてないし、片付けに回るスタッフは、ちゃんといた。
私たちも、食べ終わったのが邪魔だったし、近くに食器を回収する棚があったので、そこへ自分で持って行って置いた。
すると、つぎつぎとホールにいたお客さんは、食事を終わって帰るとき、自分で後片付けを仕出し、人が去った後のテーブルはきれいそのものだった。
そこにいた従業員の人も、回収棚のところで受け取り、しきりに恐縮して、
「ありがとうございました。」
と連呼していた。
日本人って、すごいなーと思いました。
相棒たちも、他の国だったら絶対ありえないな。
と言っていた。
