男三人珍道中(1)
男三人珍道中(1)
(1)
わたしは、昔から付き合っている旅仲間がいて、年に数回小旅行を楽しんでいる。
今回は、圏央道が成田まで開通したのでそっち経由で房総白浜まで行ってこようということになり、
先日仕事の休みを利用いして、行ってきた。
今回は、ツアーではなく車で行ってきたので、細かい計画のない行き当たりばったりの旅だった。
道中ネットで検索しながら、おいしいところでランチを食べ、寄るところを見つけながら進む予定だった。
ところが、なかなかネットで検索した店が見つからず、やっと見つけたと思ったら、休み。
次のところへ行ったら、車が一台も止まっておらず、
「ランチの時間に車が止まってない店はまずいに決まってる。」
という意見でパスし、気づいたら1:30。
これ以上遅くなると、ディナーがおいしくなくなるということで、
「もう、吉野家でもガストでもいい、とにかく入ろう。」
という意見も出る始末。
でも、せっかく九十九里まできて、ガストはないだろう。という2人の意見に押されて、
次にそれらしいところがあったら、とにかく入ろうということになった。
しばらくして、1:50分ころ、鮮魚料理の看板が目に入り、じゃここにしようということになった。
入ってみたら、何か独特の雰囲気、しかも少しくさい。
何かその筋の人のたまり場みたいな雰囲気。
よく観察してみると、演歌歌手所ポスターや純日本風の置物が所せましと並べ立ててある。
ちょっとやばいかなと思ったけど、腰を下ろしてしまって、引っ込みがつかない。
仕方なく、メニューに目をやると、みんな高い。
一番安い、焼き魚定食が1300円、後は軒並み1800円以上。
典型的庶民のわれらとしては、到底受け入れがたい、値段設定。
そこへ、本日のおすすめですと言って、若いけど化粧がきつくケバイ女の店員がメニューを持ってきた。
見ると1500円。 まず値段が目に入り、もうこれしかない、と固く心に決め、相棒にも、これでいいなじゃない、
と目くばせすると、そうだねこれでいいねという返事。
選択肢は2つ、刺身丼と天丼。
私と目の前の相棒は、刺身より天丼のほうが無難だと思い。天丼を注文。
もう一人は、俺は刺身が好きだからと言って、さしみ丼。
値段が値段だから、いくらなんでもそこそこのものはでてくるだろう。
という淡い期待を寄せながら、待つこと15分。
つづく