山菜を食べる(2)
山菜を食べる(2)
山菜取りの楽しみについて、書いたが、取った山菜を自分で料理して食べるのも又楽しい。
最初のころ、友人に連れられて取ってきたものの、どう食べていいか分からず、
もてあましていた。
私の周りの人もてんぷら意外は知らないようで、
てんぷらのあとは調理してはくれなかった。
そのうちに干からびてしまい、最後には捨てるはめになった。
それでも、取るのが楽しくて、誘われるままに毎年出かけていた。
どうせ捨てるならと知り合いに少しずつおすそ分けしていたら、
結構好評でお返しに何がしかをいただいたりした。
多分少しくらいの量ならてんぷらにするのにちょうどいいので、喜ばれたのだと思う。
喜んでもらえるならと毎年配っているうちにやめられなくなり、
今では、毎年8件ほど配る羽目になってしまった。
楽しみにしてくれる人がいるのだからありがたいはなしだ。
だから、私の山菜取りは8軒の期待をしょっているので、気合が入る。
たしかに、山菜料理の定番はてんぷらで、
どこへ行っても山菜料理というと必ずてんぷらがでる。
てんぷらもおいしいが、そうするとそれぞれの山菜の個性が油によってかきけされて、
みんな同じ味に感じてしまう。
コシアブラが最高だとかよく聞くが、
実際のところ油の味ばかりで、こしあぶらだか、
ハリギリだか、アケビの若葉だがよく分からなくなる。
だから、おひたしとか煮物なんかの方がその風味を味わうには向いている気がする。
私の山菜料理の定番は、ウドのきんぴらと、
湯通ししたワラビ、それにウドとワラビの漬物だ。
ワラビのプリッとした歯ざわりとかんだ後のぬめりある食感が絶妙だ。
あの食感はわらびでしか味わえない。
パリッ。ヌルッだ。
調理するときにこの食感を活かさなければ全く意味がなくなる。
よくみやげ物やでわらびの水煮やわらび加工品が売ってるが、すべて邪道だ。
わらびは食感がすべてなので、取ってまもなくでなければだめだ。
このわらびの漬物も、この食感をいかして漬けるとおいしい。