手相のM(2)
手相のM(2)
親しい友人いに、同業者で“塾は俺の天職だ”と普段から言ってはばからないやつがいる。
彼とは、パークゴルフ仲間で、痛風なかまで、結石(腎臓結石)仲間で、同性なかまで、同い年だ。
腐れ縁で、かれこれ10数年、毎週あっている。
だから、性格も体格も好みも痛風の発作の回数も、免許の種類も、足のサイズも知っている。
だけど、手相はいまだかつて見たことがなかった。
手相のMが、本当に天職を表しているのか、彼にとって本当に現職が天職だったのか。
ものすごい興味がわいてきた。
そこで、今度パークゴルフで一緒になった時に是非聞いてみようと思った。
プレイの最中に聞くとどちらにも集中できなくなるから、プレーが終わってから
ゆっくりと聞いてみることにした。
「あのさ~。」 勿体をつけて、
“最近面白い話を聞いたんだけど、聞きたい?”
「なに-?」「勿体つけずに言えよ。」
「実は、手相のことなんだけど。左手にMの字の相が現れていると、今の仕事が天職なんだって。」
・・・・・・・・
「どれ?どれ?どの線。」
“これだよ、この線とこの線とこの線。”
・・・・・・・・・
「あ~~。あるよ。あるよ。ほらこんなにはっきり。」
「やっぱり天職だったんだ。」
彼は大喜びで、大はしゃぎでした。
見せてもらうと、なるほど見事なM字を描いています。
この手相占い本当かもしれない。
と本気で思い始めました。
そこで、他の知り合いにもはなして、検証を続けることにしました。