作文の書き方
作文の書き方
表現の能力は昨今ますます重要度を増しています。
プレゼンターション能力が就職の際の重要な判断材料になっているのはその表れのひとつです。
自分の思いを他人に伝えることは、コミュニケーションの入り口です。
ですから表現の一手段として作文の能力を磨くことはとても重要なことです。
受験の際にも、作文は大きなウェートを占めています。
しかし、作文を書くのを嫌がる生徒は思いのほか多くいます。
「何を書いていいか分からない。」「どう書いていいのか分からない。」
そう言います。
その通りだと思います。
それは、文章を書くにも技術が必要なのにそれを訓練しないで、文を書かそうとするからです。
泳ぐ訓練をしないで、海に放り込むようなものです。
曰く
「ひたすら、手と足を動かせばいいんだよ。そうすれば進むから。」
「思ったことを、正直に書けばいいんだよ。」
もし、プールでバタ足や、呼吸法や、手の使い方を練習し、100メートル泳げるようになったら、自分から海で泳いでみたいといい出すはずです。
作文でも同じことが言えます。
自分の思っていることを、相手に伝えるには技術が必要です。
その技術の一つ一つをマスターしたとき、子供達は作文が書きたいと言い出します。
前置きが長くなりましたが、その技術のひとつひとつがいかに示した10の方法です。
作文に命を吹き込む10個の魔法
- 書き出しの工夫
- 会話を使う
- 擬音を使う
- 形容詞を使わないで、様子を表す
- 情景描写はその時に気持ちを暗示する
- 体言止めを使う
- 比喩を効果的に使う
- 文の長さを変化させる
- 文の構成を考える
- 文の終わり方の工夫(気持ちや決意や感動を入れる)
例
「うそーっ。」「それって大工さんの道具じゃないの?」、そう思ってはみたものの、声には出さなかった。
ひたすら平静をよそおって、そっと口を開けた。
手はひじかけを壊さんばかりに強く握りしめ、肛門をぎゅっと締め、太ももとふくらはぎに思いっきり力をこめた。予想される痛さに耐えるにはこれでも不十分な気がした。
私の親知らずは大きくて、ペンチで一度に抜くことができないと説明された。3つにくだいて、ひとつずつペンチで抜くのだそうだ。
その砕くための道具が、彫刻刀の刃を厚く大きくして鋭くし、されに力が入るように持つところを丸く太くしたようになっていた。
とても歯医者さんの器具には見えなかった。
大工さんにきのう借りてきたのではないかと思ったくらいだ。
きっと大工さんは、けげんな顔をしてこういったに違いない。
「これは木の節を取り除く時に使うんだけど、何に使うの?」
「あっ、ちょっと植木の手入れに。」
「刃が鋭いので手を滑らせるとあぶないから気をつけなよ。」
「大丈夫ですよ。自分の方には向けないから。」
「それじゃ、お借りします。」
そんな感じの道具だった。
塾では、10個の魔法を一つずつ練習していきます。
そうすると、子供達は、その道具を使いたいものだから、作文が書きたいと言い出します。
それから、文の構成に入っていきます。
文の構成は、高度な文を作るために絶対に必要な要素です。
特に、小論文や説明文を書くときには、
- 一般
- 具体
の使い分け - 説明の展開のしかた
などを学んでいきます。